今回お話するのは「想像力をつける」と「形をとらえる」のふたつです。

ここのページでは細かなデッサンは機会があればどこかで勉強してもらって、そのニュアンスだけ感じ取ってもらって、お絵かきに役立ててもらいたいということで進めています。

今回もほんのちょっとだけ「デッサン」について触れておきます。

前回の石膏像の頭部のところで「石膏像は平面ではないので向こう側を想像して描く」ってお話しましたが、もちろん立体なので反対側に行って確かめてから描くんですよ。
しかし反対側は絵には描けませんよね?(笑)
だけど、それを想像させるように調子(線のタッチ)を入れていくんです。
この「想像する(想像して描く)」が(デッサンを習ってないと)わからなくて、お絵かきがうまく描けてない方が見受けられます。

画像1
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画像2
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いつだったかアイドルのSNSを眺めてたら、漫画のキャラクターを描くのが上手でそれをデフォルメまでして描いてしまうような子が描いたコーヒーカップを見て「あれ?」って思ったんです。

上の飲み口が画像1のように描いてあったのですが、
これだと真上から見たら画像2のような形じゃないと
おかしいですよね?
漫画好きな子ってキャラクターありきで人物中心に描くことから
始めるから、他のところに目がいかないようです。

実はですねこのコーヒーカップをちゃんと描けることが
お絵かき上達の近道のひとつだったりするんですよ。

PICT0536


どういうことかといいますと、いま手元にちょうど良のがないから、ちょっと汚いですけどカラーインクの容器で説明させていただきます(汗)

まずはカラーインクの透明の容器を観てください。

PICT0537


目線の高さによって変わるのですが、上の部分は
細い楕円、底は大きな楕円になってるでしょ?
安心してください、画像1のように角なんてできてませんよ!
細くても「楕円」です。

PICT0535


画像のような黒くて底が見えないコーヒーカップだって
上は細い楕円、底は大きな楕円になってるんです。

これが中々想像できなくて
まだ(お絵かきする)目ができていないからそう描いてしまうのですが、これをちゃんと描けるようになるには、
上も下も同じ大きさの石膏柱(円柱)で勉強します。
そのあと茶色のビール瓶や透明な瓶を描いてみて、
上下の楕円を描いているうちに
「物を正確にとらえる」ことができてくるんですね。

こういったことからコツコツと積み重ねてお絵かきは
上手になっていくわけです

画像検索でヒットするお絵かきを眺めていると、
普通はこの過程をすっとばして描くから
実に面白い絵を描いていてる人がいて勉強になるんですよ。

PICT0538


描いたのは小学生くらいでしょうか?
顔の比率がおかしくて、下の方に目・鼻・口が描いてあったり、

PICT0539


多いのが「寄り目」を描いてしまう方
いえ、最初からそれを描いたのならいいですけどね、
これなんかも形をしっかりとらえることがまだできていなくて
そう描いてしまったんだろうと推測されます。

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今年たまたま入った鉛筆画同好会主催の展覧会で観たのは
往年の渋い俳優さんを描いたようですが、
目のバランスが左右崩れていて、
「なんで先生は指摘してやらないんだ?」って思ったんですよ。
教えないのでしょうかね?
せっかくの似顔絵ですけど、ピカソのような芸術的な絵に見えました。それをねらったのかもしれませんけどね?(笑)
かと思えば、独学で勉強したのか、めちゃくちゃ上手な生徒さんが描いた絵もあったんです。
「先生より上手じゃん!」って思いましたよ。

俺のブログではそんな統一感のないようなことにならないよう
ポイントを少しづつ抑えながらコツコツと積み重ねていってもらってお絵かきに役立ててもらおうという趣旨で書いてますので、わからない時は、最初の方の記事まで戻って
復習しながら勉強してください。

デッサンの項目でお話しましたが、最初から人物を描くのは
実際難しいんです。
そこで、俺のブログでは、どうしても間を飛ばして描きたい方に
おすすめしているのが「トレース」ってわけなんです。

形をとらえることが出来なくて、フリーハンドで
目の形を描けなくてもけっこうです。
トレーシングペーパーでトレースして描いているうちに
顔のバランスがわかってきて、「顔が下半分に集中しているのは
赤ちゃんのバランスなんだな?」とか、
渋い俳優さんは顔にできたシワまで渋くてカッコいいとか
わかってくると思います。
なぜなら、そこまで描写しないとトレースしている元の写真と
違って見えるからです。

トレースした絵とあきらかに違ったら、
どこかおかしいんですよ。
鏡に映して左右バランスを確認したり、離れたところから
お絵かきを眺めて確認して、「やっぱりあそこの部分が違う」とか楽しみながらお絵かきしてくださいね。

それではまた。


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